草津温泉で宿を探す前に、知っておきたい6つの源泉の特徴

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草津温泉

草津温泉は、数々の温泉地ランキングで1位を獲得する関東を代表する温泉です。そして最大の魅力は豊富な湯量と強酸性の独特の泉質でしょう。
ところが筆者は、初めて草津温泉を訪れた時に、事前にある程度のリサーチをかけたにもかかわらず、温泉に関してはがっかりな体験をしてしまいました。 それは、宿泊した宿の温泉が想像していた白濁&硫黄臭ではなく無色透明でサラサラしていたことでした。 草津温泉のランドマークである湯畑や湯もみショーのイメージから、高温で湯の花が舞い硫黄臭がするトロトロの温泉を想像してしまっていたため大きなギャップを感じたのです。
そこであらためて徹底的にリサーチを行い、再訪し今度は大満足となったので、調べた事や実際に訪れた宿や共同浴場をご紹介します。

1 草津温泉の6つの源泉の特徴

1-1 万代鉱源泉

1970年に硫黄鉱山の坑道から噴出した草津では一番新しく、噴出量が草津最大の源泉で、宿や公共浴場などに幅広く使われている。草津にしてはめずらしく硫黄分がほとんどなく、無色透明で、90度を超える高温泉です。

酸性-硫酸塩・塩化物泉
無色透明、強酸味、無臭、ピリッとする、PH1.7、95.4℃、6200L/分

筆者が前回宿泊した宿「望雲」はこの万代鉱でした。万座や箱根の大涌谷源泉をイメージしていたため、サラサラで無色透明のお湯にがっかりしたのでした。
ただし、メタけい酸の含有量が 501mg/kg と飛び抜けているので、美肌の湯という観点では恐らく関東で一番ではないでしょうか。

1-2 湯畑源泉

温泉街の中心にある観光スポット「湯畑」から湧き出る源泉で、白い湯けむりと硫黄臭で草津のイメージを演出している。湧き出た湯は、7本の長い木樋を通して自然に温度を下げてから湯畑の端の湯滝を流れ落ち、パイプを通して様々な宿に配湯される。

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
無色透明、強酸味、微硫化水素臭、当たりの柔らかい湯、PH2.1、55.7℃、4437L/分

1-3 白旗源泉

湯畑の少し上で湧き出す白旗源泉は、源頼朝が発見したと言われる、歴史ある名湯。明治時代に「御座の湯」を改め、源氏の白旗にちなんで「白旗の湯」と名付けられた。硫黄分が強く6つの源泉の中では唯一白濁しており湯の花も多い。

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
白濁、強酸味、硫化水素臭、少しピリッとする湯、PH2.1、55.5℃、1508L/分

1-4 地蔵源泉

湯畑からやや東へ行った地蔵堂の脇から湧き出している地蔵源は、古くから眼病に効くと言われている。主力源泉の中では一番湧出量が少ない。

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
微白濁、強酸味、硫化水素臭、少しピリッとする湯、PH2.05、53.0℃、386L/分

1-5 煮川源泉

地蔵通りの急な坂道を下ったところにあり、地下から湧き出た源泉を外気に触れさせず配湯しているため新鮮で超熱い。一般の宿には配湯されていないため、共同浴場煮川の湯と日帰り温泉施設の大滝の湯のみで浴びられます。

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
無色透明、強酸味、微硫化水素臭、少しピリッとする湯、PH2.1、51.6℃、689L/分

1-6 西の河原源泉

温泉街の西にある、西の河原公園内に湧出している大小50もの源泉の総称。

酸性・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
無色透明、苦味がある、当たりの柔らかい湯、PH2.1、44.9℃、1400L/分

1-7 主要6源泉のまとめ

草津温泉の主要な源泉は全て、ph2前後の強酸性(水道水はpH6.5)で、50度以上の高温泉です。
草津の源泉に「白濁とほのかな硫黄臭」を期待する筆者の個人的なランキングは、

1位:地蔵 2位:白旗 3位:煮川 4位:万代 5位:湯畑 6位:西の河原

となりました。

地蔵→使用している宿が数件で希少。白濁、硫黄臭、適温で気に入りました。
白旗→白濁は評価できる。
煮川→宿はゼロで共同浴場のみですが、とにかく熱い。
万代、西の河原→無色透明で草津らしくない。
湯畑→湯の花を取り除いた「出がらし」と言う方もいるのでマイナス評価です。

1-8 その他の小さな源泉

多くのホテル、旅館、共同浴場で体感できる主要な6つの源泉とは別に、小さな宿が所有管理している「自家源泉」もたくさんあり、こちらも魅力的ですので、宿選びの参考に紹介しておきます。

・わたの湯 ホテル櫻井  
・大日乃湯 極楽館の自家源泉(西の河原混合して使用) 
・新地蔵の湯  一田屋の自家源泉
・君子の湯 泉水館の自家源泉  
・若乃湯 草津館の自家源泉

2 湯畑周辺で宿を選ぶ

6つの源泉の特徴から自身の好みを選び、あとは予算との相談で宿を選んで見てください。選んだ宿以外の源泉を浴びたい時は外湯めぐりをすれば大丈夫です。
草津温泉の場合もうひとつ大切なのは宿の立地です。湯畑散歩、外湯めぐりをするには移動時間のロスを考慮して、絶対に湯畑から徒歩圏内がオススメですので、ここでは湯畑から徒歩圏内の宿に限定してリストアップしました。

2-1 旅館

・奈良屋 源泉は「白旗」老舗の高級旅館。源泉の温度や鮮度を管理する「湯守」がいる。
・望雲 源泉は「万代鉱」と「西の河原」 部屋食の懐石料理が基本の高級旅館。露天風呂付有り。
・大阪屋 源泉は「湯畑」料理が自慢の老舗旅館。

2-2 ホテル

・ホテル櫻井 源泉は希少な「わたの湯」と「西の河原」「万代鉱」の3源泉。草津最大のホテル。 
・大東館 源泉は「湯畑」
・一井 源泉は「白旗」と「万代鉱」

2-3 素泊まり&外食の宿

高級旅館の懐石はいいですが 特徴のないお決まりの、刺身、天ぷら、イワナ塩焼き、茶碗蒸し、小鍋に飽きたなら(筆者は飽きました!)、 草津はリーズナブルで美味しい飲食店が多いので素泊まりで外食もありかと・・。

・平の家 白旗源泉 素泊まりプラン 9700円〜 1階が食事処
・草津館 自家源泉「若乃湯」と白旗源泉 素泊まりプラン 7000円〜
・泉水館 自家源泉「君子の湯」素泊まりプラン 10500円〜 ベッド 全4室
・極楽館 自家源泉「大日乃湯」と西の河原源泉 素泊まり専門 
・一田屋 自家源泉「新地蔵」 素泊まり専門  6480円〜
・佳乃や 湯畑源泉 素泊まり専門 10500円〜 ベッド 朝食サービス
・湯畑草庵 湯畑源泉 素泊まり専門 11000円〜 ベッド カップルや女子旅向き

2-4 地雷情報

老舗旅館「ての字屋」は、草津最古の自家源泉所有なのに価格とサービスのバランスが・・・のようです。クチコミ要確認!

3 源泉いろいろ外湯めぐり

地元住民が日常生活で利用する共同浴場が 19ヶ所もあります。
全て無料で、24時間も多いですが、それぞれの浴場で外来者が入浴できる時間帯が決まっていますのでルールを守ってありがたい源泉を満喫しましょう。

3-1 共同浴場の中からオススメの4湯

・地蔵の湯 地蔵源泉 脱衣と浴場が一体の風情ある浴場です。筆者はここが一番のお気に入り。
・白旗の湯 白旗源泉 湯畑が目の前の好立地なのでいつも混雑している。
・煮川の湯 煮川源泉 草津一の熱湯。行ってはみたが浴槽には一度も浸かれず。
・瑠璃の湯 湯畑源泉 湯畑少し歩くが空いていて、お湯が適温。

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3-2 有料の日帰り温泉施設

・御座の湯 湯畑源泉 万代鉱源泉 湯畑が目の前の好立地
・大滝の湯 煮川源泉と万代鉱源泉の合わせ湯 希少な煮川が適温で満喫できる。
・西の河原露天風呂 なぜか万代鉱源泉 男女合わせて500m2、日本有数の広さを誇る露天風呂。